地理院地図3D作品集(2021年度)

(448)

『環流丘陵』


 これは広島県山県郡安芸太田町大字津浪周辺を西側から見たものを等倍の高さで表した3Dマップである。元々はΩ状に流れていた太田川が浸食によって突っ切るように流路を変えたため、河道と旧河道に囲まれた部分が環流丘陵として残存した。旧河道上には土砂が堆積して一部は扇状地化していると見られ、津浪の集落はその扇状地上に位置する。綺麗な曲線を描いているため、一見火山の外輪山と中央火口丘に見えなくもない。このような地形は他の河川にも存在するのだろうか?
(あかりん)

『屋久島全域地形』

 今年のゼミの研究範囲が屋久島だったので選びました。赤色断面図、傾斜量図、陰影起伏図、色別標高図、高さの標高倍率を2.5倍として立体地形図を作成しました。標高が高いところを赤、低いところを青にして5m間隔でそれぞれの図が見えるように透明率を調整しました。また、標高差がわかるように真上からではなく、少しだけ横から撮影しました。屋久島はほぼ全域が山地で、1,000m~1900m級の山々の重なりがあることがわかります。
(あずき)

『台地と低地』

千葉県八街市の北西部は台地と低地が入り乱れた地形をしており、あまり似た地形を見ないなと感じたため作画したもの。

高さを強めに強調したため、台地と低地の差がはっきりと映るようになっている。

起伏が多いが特別尖った山などは見られず平らな大地が広がる様子も読み取れる。

(cookie)

『豪華な島、久米島』

 

久米島は琉球の島の要素をかき集めた島となっている。ほとんど琉球の島は火山の噴火活動によりできるか、またはサンゴが白化した石灰岩によりできるかのどちらかである。だが、久米島はどちらの要素も含んだ豪華な島である。そのため、内陸部は火山による高い土地で沿岸部はサンゴによる低い土地となる。このような高低差が分かりやすいよう自分で作る色別標高図で山の一番高いところとサンゴの一番低いところで色の差が真反対になるようにした。また、標高100メートルまでは20メートルで区切りそれ以降の200メートルまでは50メートルで区切った。こうすることで山の高さをより強調できそうだ。色の配置はサンゴのあるような標高の低いところで青系、平野部で緑系、山間部で赤系にしてみた。また、陰影起伏図を使い凸凹感を演出した。

(ふじ)

『釜石湾を望む』

釜石湾は三陸海岸の一部である。三陸海岸の特徴であるリアス海岸は深い入り江と急峻な山地があり、釜石湾にもその様子が顕著に表れている。例えば釜石港(画像中央の入り江)は、低地の標高が0-5mであるのに対して両側の山地の標高が300mを越えている。両側の山同士の距離は3km強であり、入江が急峻な山に囲まれていることが分かる。
リアス海岸はその地形から津波の被害が大きくなってしまうが、釜石湾には世界最大の防波堤である湾口防波堤があり、被害を最小限にとどめることができる。湾口防波堤は
鳥観図でも確認できる。

3Dモデルの大きさ:南北:15.1km東西:15.16km
陰影起伏図(透過率50%), 色別標高図(透過率0%)
色別標高図:標高0-5, 5-10,10-50, 50-100,100-200, 200-300, 300-500, 500- mにそれぞれ配色、グラデ―ション使用。
高さ方向の倍率:1倍
(ヒロ)

『目黒区の地形』

自分の住んでいる目黒区は坂などが多く、起伏が大きいと感じたので作画した。主に赤
色を使い、起伏が大きい場所には薄い赤色、起伏が小さい場所は濃い赤色にした。高さは
色々試して、7倍が一番それぞれの場所の違いがよく理解できた。また、方向は南西にした。
(いけじょー)

『小説「神様のカルテ」から見る常念岳』

私が愛読している小説、神様のカルテにてよく登場する山岳である。作中において描写されるその雄大さを表現するため高さは2倍に設定した。安曇野市の麓から見上げている想定をした。
(芋林)

『津南の河岸段丘』

日本屈指の豪雪地帯である、新潟県中魚沼郡津南町の河岸段丘を作成した。津南町は信濃川と支流である清津川?中津川などが削り出した河岸段丘が広がっており、日本最大の河岸段丘とも呼ばれている。断崖面の高さをより強調した。(高さ方向の倍率:4.4倍)

(きみ)

『桜島方面から見た霧島山』

 

出身である宮崎県から見ていた霧島山を違う方向から見てみると何か違うのではないかと思い作画した。インターネットなどに載っている実際の写真を見ながら高さを調整し、1.6倍にした。「自分で作る色別標高図」を使用したがもう少し色分けを工夫できたらよかったかなと思った

(コジー)

『琵琶湖の地形』

これは地理院地図の3D機能によって見た琵琶湖である。この3D画像は守山市付近上空から北方向に琵琶湖を見た様子となっている。地形の色分けについてだが「自分で作る色別標高図」で低地部、標高では80m以下を寒色で示した。緑色の部分は80m以上の丘陵部である。500m以上の地帯は暖色で示した。これを見ると、琵琶湖西岸と琵琶湖東岸では標高差があると分かる。高さ倍率は1.5倍の倍率にしており、琵琶湖北岸の山々がよく見えるようになっている。
(marble)

『釧路湿原』

釧路湿原は北海道釧路平野に位置する日本最大級に湿地である。面積は約2万6000haで、このうち中心部の7863haがラムサール条約登録湿地である。丘陵や台地、高い崖に囲まれており、この地形はかつて海の傷が流れ込み削られて形成された地形とされている。釧路湿原公園の面積は2万8788haである。



(まさか)

『千葉県鴨川市長狭平野』
(海側から内陸向き)

概要:千葉県南部といえば丘陵を想起しやすいが、鴨川市などには平野となっている部分がありこの長狭平野は、稲作が盛んな地域である。ちなみに千葉県最高峰である愛宕山も中央やや左上にあり、高低差が千葉県の中でも大きく出ている箇所である。
色別標高図、陰影起伏図、標準地図を重ねている。
(まゆか)

『西郷隆盛像からみた桜島』

高校の修学旅行で訪れた鹿児島県で、西郷隆盛像を見ました。割と高さを感じたとき、この像から桜島はどう映っているのかずっと気になっていたので今回、桜島を3Dにしました。画像の右奥にあるのは大隈半島にある高隈山地です。

(みやも)

吉野からの桜』


桜島の火山土地条件図と陰影起伏図を用いて鳥観図を作成した。鹿児島市北部に位置する吉野公園から、桜島を眺めた様子を作図した。3Dモデルの大きさは南北33.19km、東西33.36kmで、倍率は1.3倍である。

桜島で作図した理由は、昨年度に受講した地域調査入門Eにおいて桜島のバーチャル巡検を行ったためである。同じ授業を履修した友人が、巡検において桜島を各展望台から眺めた際に、吉野公園から桜島を見ると火山麓扇状地と溶岩流跡などの地形の違いで、土地利用の違いを明瞭に観察できることに気がついた。

そこから、地理院地図3Dの機能を用いることで、土地条件図を立体的に表し、現地の景観との比較を容易にすることでより円滑な現地調査ができるのではないかと考えた。

なお作品タイトルは、有名な吉野の桜をオマージュした。

(なっちゃん)

『花水川と湘南平』

「かながわの景勝50選」「かながわの公園50選」「かながわの花の名所100選」「夜景100選」「平塚八景」など多くの指定を受けている湘南平を作図しました。周囲が平地や川で標高が低く平らなので、標高168mの山が強調されて見えます。湘南平を北東から見る方向で、高さ強調は1倍です。
(のり)

『福島盆地東部から望む吾妻連峰と安達太良山』
(ポンタ)

『岩手県大槌港周辺』

岩手県大槌町周辺を東北東から見渡した俯瞰図である。大槌町は岩手県中心を走る北上山地の谷部を流れる大槌川と小槌川によって形成された沖積平野に市街地が位置している。この地域は付近に親潮と黒潮の合流地点の存在とリアス式海岸の地形が合わさり、有数の漁港として知られている.

(五月雨)

『六甲山地と神戸市街地』

六甲の地名は,阪神タイガースの球団歌『六甲おろし』により全国的に広まったが,この六甲おろしの本来の意は,秋から春にかけて六甲山地から市街地に吹き下りる風のことである.神戸市街地から六甲山地を越えるルートはさまざま存在するが,西側から山々を迂回し有馬温泉を目指す「神戸電鉄」,山地を真っ直ぐトンネルでぶち抜いた「北神急行電鉄」(→現?市営地下鉄北神線)や「阪神高速道路新神戸トンネル」,“走り屋”の聖地として知られる「芦有ドライブウェイ」「裏六甲ドライブウェイ」,その他ケーブルカーやロープウェイなど,地形的制約を受けながら様々な種類の交通網が発達した点が興味深い.(地形強調2倍)
(そら)

『唐津市南部から望む唐津湾沿岸地域』

学生時代の多くを過ごした唐津市を比較的山がちな唐津市南部から海のある北部地位に向けて眺めた図を作成しました。唐津市は町を通る大きな河川である松浦川沿いに土地が非常に低くなっておりこれらは青く示された標高3m以下の地域となっている。また、東側は背振山地の西端となっている。今回は平野部や西部の標高を強調するために色を振り分けておりわかりにくくなっているが、300~800m級の山が連なる山地になっている。海に目を向けると、唐津湾に浮かぶ高島や大島、玄界灘に浮かぶ福岡県糸島市の姫島を望むことができる。
(タイガ)

『西馬込周辺の地形』

 標高が30m以上の地帯を赤、以下5m低くなるごとに橙、黄色、黄緑で塗り分け、15m以下は水色に着色した。南に行くほど、羽田空港に代表される埋立地が多いため、標高が低くなっていくのが見て取れる。
(太郎)

『青ヶ島の二重カルデラ地形』


青ヶ島の地形は、島を取り囲むように広がるカルデラの中央に中央火口丘、いわゆる内輪山が存在し、その内輪山にも小型のカルデラが形成されているという、世界でも珍しい二重のカルデラ火山である。前回の授業の課題で、集落は北側外輪山の斜面に立地していると先生が教えてくださり、実際に地形を見てみようと思って青ヶ島の立体地形を調べたのだが、想像以上に外輪山の斜面は急で、とても人が住むような場所には見えないし、この島に上陸するのが難しい理由がわかった気がする。
(yuzuger)

『佐渡島の地形』


この3Dは佐渡島を南西方向から見たものである。佐渡島は本州などの主要4島を除くと、沖縄本島に次ぐ面積の大きさである。その面積は東京23区よりも大きい。北と南に大きな山地がそびえ立ち、中央は平野という地形をしていることが分かる。50~500mを黄緑や緑にし、500~1000mをオレンジ、1000m以上を赤で表した。これらのことから、北にある山地の方が全体的に標高は高いことが分かる。(上が北東方向)