令和元年東日本台風(~令和元年大水害~2019年台風19号)

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台風19号による記録的な大雨により多摩川が増水し、川崎市、世田谷区、大田区で越水?内水氾濫が発生しました。

多摩川右岸?平瀬川合流点付近の水害(溝の口)

多摩川右岸18.6kにある水位観測所では、12日22時10分に最大水位(標高15.07m)に達しました。多摩丘陵を流れ下る平瀬川多摩川合流付近の堤外地では、多摩川からの逆流あるいは背水現象により浸水し、マンション1階で60代男性が亡くなっています。また、対岸の二子玉川駅下では、12日22時20分頃に越水がはじまったものとみられます。
水位のデータは「川の水位情報」より、地理院地図「自分でつくる色別標高図」機能を利用して作図しました。

 

平時の平瀬川
撮影は2015年4月

川とはいっても
底面?側面が
コンクリートで
固められた排水路です。

写真は
二ヶ領用水円筒分水近く
南部線津田山駅付近
から水路トンネルの
出口付近です。

前掲の地形図では
16.2mの水準点の
近くです。

【多摩川が増水すると....】

二子玉川駅のホームから上流側を撮影した写真です。
マウスカーソルを写真に重ねると多摩川が増水したときの写真になります。
2007年台風9号の時のものです。増水すると左の多摩川本流と右の野川が一体化します。
兵庫島公園は「島」になります。
2019年台風19号の際も同様の状況(さらに水位が高かった)となったと思われます。

【二子玉川駅付近の水防設備】

多摩川左岸二子玉川駅付近、国道246号線下は堤防が少し低くなっている部分があり、多摩川がいっぱいに増水すると、水があふれ出してしまいます。なので、土のうを積んで応急処置がされているようです。
将来的には頑丈な堤防になるものと思われます。
ストリートビュー

 

玉川西陸閘(りっこう)です。1933年に完成した旧多摩川堤防がカットされている部分です。
この堤防が作られた当時(昭和8年)は、川沿いに料亭が数軒あったようで、
堤防を客が昇り降りするのが不便であるとのクレームがあり、陸閘が作られたようです。
多摩川が増水して本堤防から水があふれそうな場合、縦溝のところに鉄板を入れて、
浸水の拡大を防止するようになっています。
なお、多摩川があふれて、陸閘を閉めた場合は、手前(川側)は浸水被害が拡大することになります。
ストリートビュー

 

 

多摩川下流域の水害(武蔵小杉)

*桃色枠(現地を歩いて浸水跡などを確認したもの) *橙色枠(国土地理院空中写真から推定したもの)

タワーマンションが林立する東横線武蔵小杉駅と横須賀線武蔵小杉駅の間が浸水しました。 空中写真からNEC敷地内も浸水していたことがわかりました。また、道路の変色具合から上丸子山王町、下沼部周辺も浸水していたものと推定されます。明治39年の地図から、多摩川旧河道とその周辺低地に被害が集中している様子です。(浸水範囲kml)

土地条件(自然地形)

作図には今昔マップ3を利用しました。

 

パークシティ武蔵小杉の
公開空地「ふれあいの丘」
植栽に浸水跡が確認できます。
(70~80cm位)

綱島街道
中原消防署前交差点近く

水はもう引いています。

翌日15時頃撮影。
川崎市中原区新丸子東3丁目

奥に見える駅舎が
東横線武蔵小杉駅です。

すでに水は引いていますが、
道路上に泥が堆積しています。


SNSで汚水の悪臭と
騒がれましたが、

意識しないとわからない程度でした。
「ドブ川」のような匂いが
かすかにしました。



翌日15時頃撮影

JR横須賀線
武蔵小杉駅新南口改札口

浸水の被害を受け
改札機やエレベーターが
使えなくなりました。

翌日は旅客取り扱いはなく、
横須賀線の電車は
通過することになりました。

写真奥で
掃除している方がいます。

翌日15時頃撮影
新丸子東第2公園

壁に浸水跡を確認できます。
(10~15cm位)

壁の向こう側は、
パークシティ武蔵小杉の
公開空地「こもれび広場」です。

3連休2日目でしたが、
公園で遊んでいる
子どもはいませんでした。

翌日15時頃撮影




写真左側の街路樹の幹に
浸水跡があります。

ラガーシャツを来ている人がいますが、
ワールドカップの決勝が
行われた日です。


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