新型コロナ禍におけるリモート合唱?合奏について

 地理の学習では、世界の多様性を学びます。世界には、たくさんの国があり、肌の色?眼の色?髪の色が異なる多種多様な人々がいて、様々な言語が話され、多様な宗教の下で日常生活が営まれているわけです。人間は社会の中で生きています。グローバルな世の中で世界の多様性を知り、そのコミュニーケーション能力を養うことは大切なことだと思います。

 2020年の春から流行が拡大した新型コロナウィルスによって、日本でも緊急事態宣言が発出され、飲食店の時短営業が求められたり、大学の講義もオンラインで実施するなど、大きな影響がありました。外国では、都市が封鎖されたり、外出が禁止されたり、日本よりも行動が厳しく限された国もありました。

 歌手や音楽家は、コンサートが開けなくなり、収入の道が絶たれました。そんな中でも、在宅で動画を収録、それらをコーラスやオーケストラに編集して、Youtube等で公開している事例が多数ありました。多くの人が知っている歌が選ばれているようです。30~40年前のヒット曲も多いという特徴があります。歌詞については、困っている人や悩んでいる人に寄り添い、励ます内容が多いようです。「不要不急の自粛」が叫ばれましたが、オンラインという方法で、多くの人を勇気づけたという事実を考えると、音楽(歌)は「不要」なものではないことにあらためて気づかされました。いくつかを紹介します。どの曲も歌詞がいいです。時間に余裕がある人は歌詞を検索するといいと思います。

新型コロナウィルスが欧米で感染が拡大した2020年3月から6月頃に公開されたものが多いようです。
すべてYoutubeのリンクです。広告が入ります。ご容赦ください。

 

We are the World 2020 Together At Home Edition by Channel Aid, KHS & YouTube Artists

(2020年4月19日公開)

33人のアーティストによる「チャリーティーエイド」です。Youtubeにチャリティのチャンネルを設立しています。
コロナによって外出が制限される中、2018年に収録した「We are the world」をベースに、
在宅録画したものを再編集して公開しています。

1985年に発売された「USAフォー?アフリカ」の「ウィー?アー?ザ?ワールド」をカバーしたものです。
USAフォー?アフリカは、アフリカの飢餓救済を目的として結成された1日限りの著名アーチストグループです。
作詞?作曲はマイケル?ジャクソンとライオネル?リッチー。クインシー?ジョーンズがプロデュースしています。
世界的なヒットとなり、グラミー賞を受賞しています。
あまりに有名な曲なので、Youtubeでは多数ヴァーチャルコーラスがアップされています。


True Colors - Camden Voices (self-isolation/virtual choir cover)

(2020年3月22日公開)

ロンドンの合唱団「キャムデンの声」によるものです。

1986年にリリースされた「シンディー?ローパー」のバラード「トゥルー?カラー」をカバーしたものです。
歌詞は「悲しい眼をして落ち込まないで...」ではじまります。
"True Colors"の訳は難しいけれど、「あなたの本当の姿を見せていいのよ」と解するのが良いと思います。


ITALIAN ALLSTARS 4 LIFE - MA IL CIELO ? SEMPRE BLU (OFFICIAL VIDEO)

(2020年5月8日公開)

イタリアの「イタリアン?オールスターズ?4?ライフ」によるものです。
イタリア赤十字への募金を目的として59人のアーティストが集まりました。
イタリアンラップもあります。イタリア語の響きも含めて楽しんでください。

1975年に発売された「リノ?ガエターノ」の「マ?イル?シエロ?エ?センプレ?ピウ?ブル」のカバーです。
イタリアではヒットしたようですが、日本では知られていないのではないでしょうか?(私は知らなかった)。
曲名について、イタリア語単語を英単語に置き換えると「But the sky is allways more blue」となります。
「それでも、空はいつだって、とっても青い」という感じでしょうか。
歌詞は、「バラック小屋に住んでいる人、肉体労働者の人、栄光の夢を見る人、年金泥棒、物忘れのひどい人...」と
さまざまな人を羅列して、最後に「空はいつだって青いんだよ」という内容が繰り返されます。
世の中には色々な人がいるけど、空を見上げれば青いじゃないか...。


Quarantine (A "Dancing Queen" Parody)

(2020年4月10日公開)

アメリカ合衆国カリフォルニア州ヴィスタ市の劇団「ムーンライト?ステージ?プロダクションズ」によるものです。
それぞれの自宅で楽しそうに演じているのが印象的です。
歌は替え歌です。「quarantine」は「検疫」の意味ですが、ここは「感染症予防」という訳しましょうか。

1976年に発売されたスウェーデンの4人のグループ「ABBA(アバ)」の「ダンシングクイーン」のカバーです。
歌詞は元の曲も英語です。日本でも知られている曲です。


Maroon 5 - Memories | One Voice Children's Choir Cover

(2020年5月17日公開)

アメリカ合衆国ユタ州の児童合唱団(ワン?ボイス?チルドレンズ?クワイヤー)による合唱です。
透き通った子どもたちの声がとても印象的で、ボイスパーカッションも活きています。

2019年にリリースされた「マルーン5」の「メモリィーズ」をカバーしたものです。
典型的なカノン進行のコード展開です。誌の内容は、亡き友人(プロデュ-サー)に捧げたものです。
"Bridge Over Troubled Water" - Paul Simon | Quarantine Choir Cover | Virtual Choir

(2020年6月1日公開)

英語で歌われていますが、ドイツ(一部オランダ)の50人の有志によるものです。

1970年に発売された「サイモンとガーファンクル」の「明日に架ける橋」をカバーしたものです。
歌詞の冒頭は、「君が疲れてへこんでしまって、涙が溢れてきたときは、拭い去ってあげるよ」という感じです。



50 Countries Affected By COVID-19 Sing Amazing Grace
(2020年5月26日公開)

世界50か国からその国の言葉で歌われています。
「アメージング?グレース」は、キリスト教の讃美歌ですが、イスラム教の国の人も参加しているようです。

イギリスの牧師ジョン?ニュ-トンによって、1772年に作詞されました。
《新日本フィル》テレワークでパプリカやってみた!?最終回?
(2020年3月25日公開)

テレワークでの合奏にはかなり苦労があったようです。第1回~第6回の動画も公開されています。
音割れなど、プロとして許容できない面もあったかと思いますが、
2021年3月という早い段階で動画を公開したことで、
その後、合唱?合奏動画が急速に拡大したことに貢献したと思います。

2018年に米津玄師がプロデュースした「Foolin」の「パプリカ」は、東京五輪のNHK応援ソングです。
いわゆるヨナ抜き音階は、日本的な雰囲気を醸し出して、ダンスもブレイクしました。



合唱曲「BELIEVE」アーティスト総勢50人でリモート合唱してみた【バンド演奏】
(2020年6月12日公開)

バンドマン、シンガーソングライター、コーラスグループの30組52人による作品です。
苦境に陥っているライブハウスの救済の意味もあります。

1998年に発表された「杉本竜一」の「Believe」は、卒業式?卒園式などで広く歌われています。