学長 年頭挨拶
年頭にあたって
―「スポーツの駒澤」を維持しつつ「研究の駒澤」の世界発信へ―
駒澤大学長 廣瀬 良弘
新年明けましておめでとうございます。穏やかなお正月をお迎えのことと存じます。
さて、本学は本年の12月に、開校130周年記念棟「種月館」のメイン棟が完成します。9階建一部4階建の教場棟ですが、1階に大食堂「Kitchen駒膳〈教育後援会ホール〉」が入り、緑深い駒沢オリンピック公園を眼下に納める明るい建物です。
また、本学は昨年11月、文科省平成28年度「私立大学研究ブランデイング事業」タイプB(世界展開型)に「『禅と心』研究の学際的国際的拠点づくりとブランド化事業」を申請し、198校中、40大学採択という狭き門を突破しました。不断に続けてきた禅(ZEN)研究を中心に各学部の関連分野を横断し、国内外の研究機関と連携を取り、その成果を5年間にわたる大規模な補助金を受けて、世界発信し、国際化を一気に推し進めます。
さらに、同じ11月、本学はアメリカに本社を置く株式会社バリアンメデイカルシステムズと放射線治療人材教育センター設立に関する産学連携事業の契約を取り交わしました。種月館にバリアン社の世界最先端の医療用直線加速器?リニアックを設置し、本学の医療健康科学部の学生の教育指導を行うとともに、日本の社会、あるいは東アジア、ひいては世界の放射線治療の人材育成を行うものであります。本学は人類の課題とも言うべき癌撲滅の闘いの最先端に関わることになります。こうして本学は現在の大学に求められる産学連携?社会貢献?グローバル化?国際化を一気に推進していきます。
一方で、本学に様々な栄誉をもたらせた各種学生スポーツにおいても、伝統的に活躍を続けてきた学生諸君に敬意を表し、さらなる支援に努めてまいります。
本学は大学全体を俯瞰する施策体系のもと大学改革を進め、専門?教養?スキル?キャリア教育の質保証を図って行かなければなりません。そして、駒澤人育成と英語教育に力を注いでまいります。
道元禅師の修証一等は、行の中に悟りが現れる、すなわち、行の生活そのものが悟りの生活という価値あるものであります。そして、その価値ある行、悟りの生活を支援する、たとえば、修行僧の食事を作る典座(てんぞ、料理長)の仕事も立派な「行」であるとします。
これを本学の「行学一如」に置き換えるならば、大学における学問研究を中心とした日々の生活が、価値ある「行」であり、「学」である、また、それを補佐する教育?環境整備?運営に尽くすこともまた立派な「行」であり「学」であるということです。
駒澤大学は、今後も学生による各種スポーツでの活躍を維持しつつ、「研究の駒澤」としても広く世界発信してまいります。