壁が現れたとき、「どう打ち勝っていくか」を考える
陸上競技選手 富士通陸上競技部所属 中村 匠吾 さん
- 東京2020オリンピック?パラリンピック競技大会
男子マラソン日本代表内定
中村 匠吾 さん - 1992年三重県生まれ。2015年経済学部卒業。富士通陸上競技部所属。4年次に陸上競技部主将を務める。第46回全日本大学駅伝4区で区間賞に輝き、史上3校目の4連覇達成に貢献。第91回箱根駅伝1区で区間賞を獲得。2014、2016年世界ハーフマラソン選手権代表。2018年 びわ湖毎日マラソン7位(日本男子1位)。マラソンの自己ベストは2時間8分16秒
駒大での出会いと経験が、夢の後押しをしてくれた
昨年9月、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で優勝し、東京2020大会(2021年に延期)の日本代表に内定しました。在学中、陸上競技部の 大八木 弘明 監督から「マラソンで日本代表を目指していかないか」と言われ、自身の希望と相まって「日本代表になりたい」という思いが強まりました。念願叶って日本代表に内定することができたのは、駒澤大学陸上競技部での出会いや経験があったからこそだと感じています。
私は小学校高学年から地元の陸上少年団に入り、それから陸上競技を続けてきました。中学時代からテレビで箱根駅伝を見ては「駒澤大学は優勝経験もあり、憧れの選手も多い大学」と思っていました。その思いは憧れに変わり、高校時代には駒澤大学が志望校になっていました。また、当時から「いずれマラソンに挑戦したい」と望んでいたので、優れたマラソン選手を多数輩出している駒澤大学陸上競技部で監督やコーチの指導を仰ぎたい、という気持ちも強かったです。
取材にも戸惑わないメンタル面の成長は、主将時代の経験の賜物
大学入学後、すぐに好結果は出ませんでしたが「先輩たちに追いつけるように」と努力し、3年次から結果がついてくるようになり、主将を任されることとなりました。一つの目標に向かってチームメイトをまとめ、引っ張っていく経験は、その後の競技人生においても大きな糧となっています。
もう一つ、主将を務めたからこそできた良い経験はメディア対応だと思っています。昨今、大学駅伝への注目度が高まっていますが、その中でも駒澤大学は常に注目されている大学だったため、私は強豪校の主将として、取材を受ける機会もずいぶん多かったです。今、世界的な大会での様々な取材にも戸惑うことなく対応し、実力を発揮することができるのは、大学で得た経験によってメンタル面も大きく成長したからだと確信しています。
東京2020大会の試合当日は、自信を持ってスタートラインに立てるよう、今後もしっかりと練習に取り組みたいです。長い距離を走り続けるマラソンは何が起こるかわからない競技なので、起こり得るあらゆるケースを想定し、できる限り100%の準備をしようと考えています。
後輩の未来を応援している。自分も期待に応える走りを
学生の皆さんには「夢や目標を持って努力していくことが大事」と伝えたいです。私も「日本代表になる」という大きな目標に向かい努力した結果、大舞台の出場権を手にすることができました。しかし、夢や目標に向かう間、難なくスムーズに進むことは少ないものです。壁が現れたとき「どうやって打ち勝っていくか」を考えて乗り越えていくことが重要であり、それが成功につながるのだと思っています。
東京2020大会では、多くの方々の期待に応えられるよう頑張ります。皆さんも自分の夢や目標に向かって頑張ってください。
※ 本インタビューは『学園通信343号』(2020年7月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。